ひとつ昔の時代に学ぶ

十年一昔という言葉があるが、十年で区切って過去を振り返り、変遷する様を捉えることを言うのだろうが、今思う「ひとつ昔」の時代と言う時、時間軸で言えばその五倍の五十年程前あたりのことを指すのではと思っている。

 

それは戦後十年から二十年程経った頃、敗戦の混乱から立ち上がって、経済が高度成長へと向かっていく頃で、今から思えばひたすら物質的な豊かさを求めていた時代であった。

 

誰もが、特に若者は、走り回っていた時代、ただ何も考えずに一生懸命に仕事に励んだ記憶が残っている。

 

今の若者が、仕事が無く就活に悪戦苦闘する状況とは表面的には全く違うように見える。仕事が有るのと無いのでは180度違うのではと言われれば、返す言葉が見つからないが、競争社会の辛い厳しい状況は、今の経済的に混迷する状況とある面では同じような気がしてならない。

 

厳しい生存競争があった。今振り返ってみれば、いい時代であったように思えるが当時は当時で過酷な状況であった。狭い日本の中でひしめき合って、生きて、社会を支えていたのである。

 

まして国外で活路を見出すなど一般的には考えられなかった。今は外国へ出て行くのは当時で言えば、県外へ出ていく位の感覚で、容易に出来る時代になった。

 

当時では考えられなかったが、やる気を持って創業起業しようとすれば、様々な公的な教育制度や助成や補助などの支援体制もある。その当時、時代に立ち向かって行った人達の精神があれば、現在の状況や制度をうまく生かして、切り開くことが出来るのではないだろうか。

 

民主主義も、成熟の域に入り、セフティネットなど個人に対する保証も整いだしている。そう考えれば今の時代もそう見捨てたものでもない気がするのである。今こそ、ひとつ昔の時代に学ぶ必要があるのではと思えてくる。